文部科学省 「歯学部の定員削減を」改善要請

歯科医療関係者らで作る文部科学省の「歯学教育の改善・充実に関する調査研究協力者会議」は30日、国家試験の合格率が低迷する大学に定員削減などを求める報告書をまとめた。昨年12月に開催された研究協力者会議では、検討の視点として、次の3項目が示された。(1)歯科医療の高度化や医療ニーズの多様化等に伴う教育内容お増大や国家試験の難化の中、臨床実習の時間数の減少と卒業時の臨床能力の格差が生じていないか、(2)18歳人口の減少や歯科医師過剰が叫ばれている中でのキャリアの魅力の低下などから、入学者の資質の低下や格差が生じていないか、(3)歯学教育の質を確保し社会の要請に応える歯科医師としての臨床能力をはじめとする資質能力の向上が急務ではないか。これらを受けて報告書をまとめられた。
同省はまず、29歯科大学・歯学部に報告書を通知し、改善計画書を求めた。報告書は「歯科医師が過剰になり、この数年で志願者が著しく減少するなど、選抜機能が大きく低下した大学がある。歯科医療の信頼性にかかわる」として、国家試験合格率が低迷し、臨床実習に必要な患者の確保が困難とし、そのために「留年が多い歯科大学に、定員を見直すこと」「適性を欠く学生には、進路変更を勧めること」などを提言している。さらに、現場からの指摘が多い臨床能力についても「国家試験対策に追われて、臨床実習が減っている。実際の医療に携わらない見学型実習にとどまる傾向もある」として、臨床能力試験の実施も求めた。歯科医師の新規参入は、1986年に20%以上削減すべきだとし、1998年にはさらに10%程度の削減を提言していた。
【歯学教育の改善・充実に関する調査研究協力者会議委員】
江藤一洋(東医歯大名誉教授)、江里口彰(日歯常務理事)、葛西一貴(日大松戸歯学部教授)、金子譲(東歯大学長)、北村聖(東大医学部国際協力研究センター教授)、古谷野潔(九大教授)、中原泉(日歯大理事長・学長)、福田仁一(九歯大理事長・学長)、福田康一郎(千葉大名誉教授)、前田健康(新潟大学歯学部長)、前野一雄(読売新聞編集局医療情報部長)、俣木志朗(東医歯大教授)、米田俊之(阪大歯学部長)オブザーバー:日高勝美(厚労省医政局歯科保健課長)


記事 オクネット・奥村 勝
by dentwave | 2009-02-02 10:14 | 厚生労働省・行政・政治
<< 歯科医師の質向上目指し歯科大学... 医学部長 歯学部長・医学部 歯... >>